災難②

災難一つ目は金縛り。
二つ目の災難はバイト中に起きました。

常連さんが広い席に移動するので広い席に座ってたおじさん4人組が帰るのを見ていた私。そしたら一人なのにカウンターではなく入口の一番近くに座っていた男の客が立ち上がった。会計かなと思いレジに行こうとすると…4人組の後ろに着いて出ていく男。
瞬間、「やばい!食い逃げだ!!」と察して店の中を走って外に出ると月極駐車場の方に走って逃げる男。私も追い掛けて「お客様ー!!」と叫ぶが男はひたすら逃げていく。男が意外に足が早く、私は体力不足とサンダルだったためどんどん差を広げられる。その瞬間、口を付いた言葉は「てめぇ!おい!待てや!このクソ野郎!!!」。本気だった。どんなに差を広げられてもこいつを捕まえたら首絞めて泣いて許しを請うまで殴ってやろうって思った。サンダル脱いでサザエさんの様に裸足で追いかけようとも思ったけど体力がもう限界で取り逃がした。ふがいないと思った。その現場を見てたのは私だけだったのに男の特徴を殆ど覚えてなかった。
とぼとぼ店に戻り店長に事の説明をしてもう一つの店に様子を見に行くことに。凄い悔しくてムカついてたけど、店長が「お前が刺されたりしなくてよかったよ、危ないから気をつけろ」って言った。あぁ、そうか。私に害はなかったんだ。大柄な男だから捕まえて殴ってやる以前に私が殺されるかもしれなかったんだ…。そのとき、私は自分が思うほどずっと弱いんだって気付いた。どんなに力があっても言葉が恐くても、自分より強い力なら捩伏せられるし刃物なんて持たれたら防ぐ術がない。
でもね、悔しかったんだ。あんな安い値段で食い逃げされたのが。見ていたのが私だけだったのに何も覚えていなかったこと。追い掛けてるときに道に何人か人がいたのに「食い逃げです!!」と叫べず捕まえるチャンスを逃したこと。悔しいよ…。


とりあえずね、タバコ辞める。本気で。本当に走れなかったの。自分の体力が低下しているのを痛いほど知ることになった。